2020年の診療報酬改定で、乳癌や卵巣癌の発症者についてはBRCA1/2遺伝学的検査やサーベイランス、リスク低減手術が一部保険収載された。一方、がん未発症者については、その対応は保険適応外であり、各医療機関にその対応が任されている。ただ、BRCA1/2遺伝学的検査が普及するにつれて、未発症者の遺伝学的検査の実施件数は増加しており、病的バリアント保持者のマネジメントの確立が急がれる。このシンポジウムでは現場での問題点を明らかにして、今後望まれる行政への働きかけなどについて議論を行いたい。